努力なくして力なし

株式会社Ripariaの代表です。新潟在住の大学院生です。都会と地方をつなぐ会社を作っています。セキュリティやIT企業でのインターンに関する記事が多いです。

『日本酒学』第5回 ー新潟大学ー

新潟大学で開講されている『日本酒学』第5回です。

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(新潟の人は分かるかもしれませんが、背景は弥彦神社です⛩)

 

第4回の記事はこちらをご覧ください。

balius-1064.hatenablog.com

 

今回のテーマは

『日本酒の地域性』

 

講師の方は、先週に引き続き、新潟県醸造試験場の場長である金桶光起さんです。

 

今週、「全国新酒鑑評会」の結果が出ましたので、こちらも合わせてご覧ください!

balius-1064.hatenablog.com

 

目次

 

今回のお話は、大きく歴史に関するお話がほとんどでした。

私が気になったものを取り上げていきます。

 

地域性

最初に、地域性』の結論から。

日本酒にとっての地域性とは

  • 気象
  • 原料米
  • 副産物の利用
  • 伝統食

が大まかに挙げられます。

気候原料米に関してはこれまで読んでいただいた中でなんとなく皆さんにも分かると思います。

」は、昔は出稼ぎとして酒造りをしていたこともあり、地域性が表れていたりします。

副産物の利用」と「伝統食」に関しては、酒造りを通して出てくるものをどのようにアレンジしていくかや、それを活かした料理等、違いが地域性として表れてきます。

 

酒造方法は全国ほとんど同じです。地域性が出てくるのは、これらの要因によっての味の変化といってもいいのではないでしょうか。

地域性というより、「酒屋万流」と言い表していました。

簡単に言うと、「蔵癖」ですね(笑)

 

そもそも、なぜ全国で造り方がほとんど変わらないのでしょうか?

この答えは、昔は税として多くの割合を占めていた酒税をしっかりと取らないといけないため、国としてもしっかりと教育をしてきたからです。

 

日本酒の歴史

日本酒の歴史も、様々な角度からみることができます。

器(弥生土器)や「魏志倭人伝」や「播磨国風土記」といった書物などから日本酒の歴史をみました。

人類は結構昔からお酒を好んで飲んでいたことが分かり、ちょっとほっこり。

この「播磨国風土記」に、麹カビを使った酒造りに関する最初の記述があるそうです。

個人的に、弥生時代の調理に蒸し器を使っていたところ、蒸した米に麹カビが生え、お酒になっていたというものが面白かったです。(推論話ですが)

たまたまお酒が生まれるという。こういった、なんでこれを人類は食べ始めたのだろという、最初を知るのちょっと興味あります(笑)

 

また、新潟における酒造りに関してですが、新潟の人は仕事がなくなると西の方に出稼ぎに行き、そこで技術学んできて、新潟で広げていたようです。

 

地形と名水

日本海側に合った米作りがあるように、日本海側に合った酒造りを新潟は生みだしてきました。新潟にも県の名水は62ヶ所あり、環境省の「名水百選」には6ヶ所選ばれています。

新潟県の酒造は89社ありますが、新潟県全土に広がっていて、名水が直接関係しているという訳ではなさそうです。

発酵させる温度・時間が水によって違うため、日本酒に特徴が出てきます。

 

そもそもの軟水と硬水の違いです。

軟水

  • カルシウムやマグネシウムなど硬度成分が少ない
  • 比較的長い時間かけて発酵
  • 酸は少なめで、なめらかできめの細かい淡麗な風味

硬水

  • 酵母の栄養源となるミネラル分が多い
  • 比較的発酵時間が短い
  • やや酸の多い辛口タイプ

新潟県秋田県軟水で、石川県や灘の宮水が硬水ですが、そもそも日本の水自体、海外から見るとほぼほぼ軟水といってもいいほどの差が、海外の硬水とあります。

そんな微妙な差の中で味が変わってくるの、面白いですよね!

 

日本酒造りは、全国的に機械化が進んでいるため年中を通して行うことが普通なのですが、新潟県三期醸造しています。

気温の低い冬を中心に酒を造り、春から秋は米を作っています。お酒自体は、貯蔵熟成を経て年間を通して出荷されます。

 

だからこそ、新潟県食べる米、酒造米共に出荷量が多いです。酒米生産地は全国2位です。

 

酒質の変遷

日本全体の変遷として、濃醇甘口➡︎淡麗辛口という傾向が見られます。

産業の変化や時代の変化によって、好まれる味が変わってきたことや、酒米の発展が影響として考えられます。

また、大量生産できるメーカーに負けじと、地方は高級酒にシフトしていった傾向も見られます。

 

新潟県出荷量は全国3位(シェア8.1%)で、吟醸酒の国内シェアは1位だそうです。

 

また、酒のしおりによりますと、新潟県人は、清酒の消費量が日本1位です(笑)

さすがですね。

 

こんだけ、酒の国であるからこそ、「新潟酒の陣」で2日間で14万人もの集客ができるんですね。納得しました!

今年は行ってみたい。

 

さいごに

今回は地域性に関してみてきましたが、お酒の造り方も変わらず、本当に繊細なところで独自の風味・味わいを出していることが分かり、尚更職人の技ってすごいなぁと感動しました。

結論からすると、この銘柄は辛い、甘い、淡麗、濃醇といった味の違いは一概には分類することができず、同じ銘柄でも吟醸酒だったり本醸造酒だったりと特定名称酒の違いによっても味が変わってきます。

これは飲んで味わうしかないですね🍶(笑)

 

途中、歴史に関して人名もだして色々と紹介していただきましたが、今回は割愛させていただきます。

 

今回もお読みいただきありがとうございます!

みなさんもたくさんの地域の清酒を飲んで味わっていきましょう!

 

第6回の記事はこちらです。

balius-1064.hatenablog.com