努力なくして力なし

株式会社Ripariaの代表です。新潟在住の大学院生です。都会と地方をつなぐ会社を作っています。セキュリティやIT企業でのインターンに関する記事が多いです。

『日本酒学』第12回 ー新潟大学ー

日本酒学のブログ、ものすごく更新が遅くなり申し訳ございません!!!

 

新潟大学で開講されている『日本酒学』第12回です。

 

第11回の記事はこちらをご覧ください。

balius-1064.hatenablog.com

 

今回のテーマは

『日本の酒類グローバル化清酒とビール・ウイスキーとの比較〜

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講師の方は、一橋大学経済研究所の特任教授である都留康さんです。

今思ったのですが、この講義の講師の方々幅広くてすごい人ばっかり🙃

 

目次

 

「何かの本質を知るためには他と比べることで解る」

ということで、様々なお酒と比較して今回はお話が進んでいきます。

 

清酒グローバル化

かつて輸出は、海外での現地生産の補完的な存在として、普通酒を輸出していました。

しかしながら2003年頃から状況が一変し、地方の蔵元が高級酒の輸出を始めました。

おそらく、本格焼酎ブームと小売自由化によって、高級清酒の国内での需要が減少したため、海外に向かったのではないかと考えられます。また、国内での消費の減少も関わっていると考えられます。

 

前も紹介しましたが、日本の輸出はここ10年で3倍以上に成長しています。

SAKETIMESさんいつもありがとうございます。参考にさせていただきます。

jp.sake-times.com

この頃は中国西日本のお酒だけがよく輸出されていたようです。

 

月桂冠

清酒グローバル化に早くから対応していました。

海外比率は結構多く、2割程度です。

国内生産が27万石で、輸出が1万石ぐらい。カルフォルニア現地生産として3.6万石作っています。

 

1万石?と言われてもよく分かりませんよね(笑)

1万石とは、約1,800klです。これは、一升瓶100万本ぐらいです。すごい多い。

 

アメリカで安い清酒飲んだとしたら、月桂冠大関・松竹梅の確率が高いそうです(笑)

 

ビールのグローバル化

ビールは世界で最も飲まれているお酒で、地域と人種に関係なく広く飲まれています。

そして世界のビール消費量は29年連続で増加しています。

現在消費量が増えているのはベトナムです。

経済的に豊かになってきた時にまず飲まれるのがビールだそうです。

 

日本の消費量は、約70%から現在は約30%へと減少しています。

 

日本からのビールの輸出は、ほとんどがアジア(だいたいが韓国、次いで台湾)です。

ビールは鮮度が大事です。だからアジア圏への輸出が多いです。

 

「ジャパンブランド」として、アサヒスーパードライキリン一番搾りなど、海外から見ると高価格帯で健闘しています。

日本のビールの主力製品はすべてラガータイプで、極論を言うと味は高位で標準化してしまっている分、幅が狭くなってしまっています。

 

ちなみに、クラフトビールの生産量においては毎年新潟が全国1位を取っています。エチゴビールですね!

アメリカだとこのクラフトビールが、全国内流通ビールの20%ぐらいを占めています。そう考えるとまだまだ日本もクラフトビールの可能性ありますね!

 

ウイスキーグローバル化

ウイスキーの輸出は急増してきています。

高級酒の輸出を伸ばしたのは要因は朝ドラだそうです!マッサンですね!

 

ウイスキーは元々食後酒だったのですが、ハイボールの誕生によって食中酒になりました。

 

CMにも企業文化がよく出ているそうです。

やはり、マーケティングが上手な企業と下手な企業はけっこう差が出ているようです。

サントリーはすごくCMが上手で、売り上げを伸ばしているそうです。

 

日本からの輸出は、フランス・イギリス・北米が伸びています。

品質の評価も高く、清酒よりも伸び率は良いです。

 

これから

これから世界で日本が戦っていくための課題と対策です。

清酒

和食以外への浸透、ワイン市場への浸透が課題。ペアリングにおいても、和食の壁を乗り越える必要があります。

対策として、ワインのグローバル化が成功した背景を真似するのが良い。各国の個性を反映したスタイルから、世界で通用スタイルへの変化が必要です。

ビール

低価格帯では、巨大なグローバルメーカーや現地メーカーが立ちはだかっています。

高価格帯では、クラフトビールとの競合が避けられません。

対策としては、高価格帯において、明確にスコッチと味の差別が出来ているジャパニーズウイスキーが参考になるのではないでしょうか。

ウイスキー

課題は、提供能力です。熟成が必要なため、時間がかかります。

また、日本のウイスキーには「Made In Japan」の明確な定義がなく、でたらめなウイスキーが海外で出回ってしまっていたりします。

対策として、垂直統合方式の大手メーカーを補完して、ジャパニーズウイスキーの供給能力や優柔性を確保し、「Made In Japan」をしっかり定義して確立した国際評価を傷つけないようにしていく必要があります。

さいごに 

日本酒以外のお酒と比べることで、今後の日本酒の国際戦略を考えれたのはすごい面白かったです。

輸出は伸びていますが、やはりペアリングにおいて和食からの解放をしていくのがすごい重要だなと感じました。

最近だとこういった流れが国内では出始めていますが、いかに海外の食べ物とペアリングしていくかが課題だと感じました。

 

普段なんとなく飲んでしまっているお酒に関して、ここまで勉強してくると色々と飲みながらも考えることができて面白いですね😋