努力なくして力なし

株式会社Ripariaの代表です。新潟在住の大学院生です。都会と地方をつなぐ会社を作っています。セキュリティやIT企業でのインターンに関する記事が多いです。

『日本酒学』第8回 ー新潟大学ー

新潟大学で開講されている『日本酒学』第8回です。

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本日から、新潟大学では第2タームに入り、一応授業名も日本酒学A-2となっています。

 

第7回の記事はこちらをご覧ください。

balius-1064.hatenablog.com

 

今回のテーマは

日本酒と食 ~フードペアリングの官能と科学~ 

 

講師の方は、龍谷大学農学部の教授である伏木さんです。

お話がとても面白く、ユーモアいっぱいで楽しく聞けました。ありがとうございました🙇‍♂️

 

目次

 

フードペアリング

そもそもフードペアリングとは、その名前の通り料理とお酒をどう合わせるかといったお話です。

 

近年、インバウンド(日本への海外からの旅行者)が多くなってきています。そのため、日本酒の人気も上がり、料亭等では半分ぐらいが外国人ということもよくあるそうです。

 

観光だけでなくても、日本 × 海外 と お酒 × 料理の様々な組み合わせがあるが考えられます。食文化が多様になったおかげでもあります。

 

それぞれの食や酒には伝統や文化はありますが、その中で色々な組み合わせが出来るようになってきて、どのように味わい、嗜むのかが大切になってきました。

今後更に国際化が進む上で、重要になってくるテーマではないでしょうか。

 

今回は、こんな感じでメリハリ無く語っていく感じになりそう。。

読みにくかったらすみませんm(._.)m

 

様々なお酒や料理が出てくると、「酒が変わるべきか料理が変わるべきか」といった話が出てきますが、どっちらも変わる必要はないと思います。

 

マリアージュ

ペアリングをワイン用語で言うとマリアージュです。

なんだか聞いたことありますね。

どのように料理とワインを合わせるかといった知識が必要になってきます。

 

そうです。

ワインの場合、料理にお酒をピンポイントで合わせていきます。

だからこそ、ワインに対する多種多様な知識が必要で、ソムリエという職業がうまれました。

 

それに比べ、日本酒はどんな料理にも合います

 

「合う」

ワインの「合う」。つまりマリアージュ言語化します。

  • 個性的な料理に対し、個性的なワインが、お互いの良さを引き出し、新たな美味しさを作り出す。
  • 料理のくせをいったんワインが引き受けて、ワインの柔らかい香りを引き出す。
  • 触りを一旦なくす。
  • ガチガチにぶつけて、さらに高みを目指す。

こんなところでしょうか。

 

日本酒の「合う」。これを言語化していきます。

  • どんな料理にも合い、料理をいささかも邪魔することなくその余韻を上品に消していく感じ。

この一言でもう分かると思います。ペアリングの発想がワインと全く違います。

 

講師の方は、結婚観とも似ていると言ってました(笑)

詳細はご想像にお任せします(笑)

 

ペアリング作法の違い

作法の違いは、酒の香気成分の多彩さに起因します。 

これはワインにはできない得意技で、下記のような日本料理のコンセプトに合致します。

  • 素材を活かす料理
  • ダシの旨味による穏やかな調和
  • 強い酸味や甘味には負ける
  • 生の魚介類の風味が豊か

 

日本では、「生」の格式が高く。日本人は素材をできれば「生」で食べたいと思っています。

海外での料理と日本料理の違いとして、「ダシから素材を探す」というものが挙げられます。

普通は素材が先にあり、その素材に合う味を選んでいくという流れが普通ですよね。日本人は逆の発想ですね。

 

日本食は、ダシは同じだけど、素材で味が変わってくるという料理が多いです。

そういう料理を活かすのが日本酒です。

 

海外でも日本酒が飲まれることが多くなってきています。輸出量も毎年増加していますしね。しかしながら日本酒がどうしてもワンポイントで使われてしまっています。

 

日本酒のマリアージュの作法そのものを輸出すべきですね。ピンポイントの代替で持っていく方ではないですね。

ワインの代替ではなく、日本酒のマリアージュの世界を発信する必要があります。

 

実際に、フランス料理と日本酒はめちゃめちゃ合うそうです。

むしろ、前菜はシャンパンより日本酒の方が合うそうです。キャビアに合わせるためにわざと発泡性のシャンパンで合わせていますが、ちょっと無理矢理感があるそう。(両方そんなに食べたり飲んだりしたことないから分からない。笑)

 

しかしながら、前菜で日本酒を使いたいが、日本酒が安すぎて出せないそうです。

「0をもう一つ増やしてくれ」とよく言われるそうです。

日本酒安すぎ問題はよく挙がってきますね。

 

鍵となる匂い

ペアリングの鍵は匂いにあります。

 

舌にあるレセプター

  • 甘味   1種
  • うま味  1種
  • 塩味   1種
  • 苦味   25種〜
  • 酸味   1種

このように人間の舌にはレセプターが苦味以外、基本1種類しかありません。

 

それに比べて匂いは396種類のレセプターがあります。そのため、味の解像度が高いです。

 

味覚より嗅覚の方が味を感じるに当たって大切です。

味だと思っているのは、実は口から鼻に抜ける気体で、私たちは基本それを味わっています。

器官的には2種類あります。

  • オルトネーザル 揮発性の匂いを感じる。外の匂い。
  • レトロネーザル 食べ物の匂いに特化している。

鼻の中でも、後ろ側についているレトロネーザルで味を感じています。

 

「味の記憶は匂いの記憶」これ覚えておいてください。笑

本場の味おふくろの味とかも全部実は匂いの記憶なんです。

鼻をつまんでチョコレートを食べて、途中で手を離すと一気に甘くなるみたいです。今度やってみます。 

 

そして難しいのは、味は5種類しかないので簡単に言葉にできますが、匂いの記憶は言葉にできないというという点です。

 

だからこそ、ソムリエは無理やり言葉を作っています。「馬小屋の匂い」「昼間の猫の匂い」など、意味の分からない様な言葉で想像させるそうです。笑

確かになんとなく想像し易くはなった気がします。笑 

 

日本酒やワインに含まれる匂いの存在量は味よりも全然少ないです。

だからこそ、香料会社でも人の嗅覚で測っているそうです。

香料会社の方は、匂いを分解をする癖がついちゃっているそうです(笑)

 

匂いはA + B が AB にならずに全く違う C になってしまいます。だからこそ難しいです。

 

匂い成分は、8個ぐらいのレセプターの組み合わせで感じます。違う匂いを、同じレセプターで共有しちゃっている匂いもあるからこそ、取り合いや弾き合いが起こります。

 

魚の刺身で考えると、魚の生臭さと、日本酒の香気成分を同じレセプターで感受させることによって生臭さを軽減することができます。

 

世代による変化

世代によってペアリングが変わっていのではないかという考えがあります。

20、30代の人はワインでも日本酒でも30代以上の人と「味わい」が変わっています。

 

おいしさを細分化すると

  • 生理的
  • やみつき(報酬効果)
  • 食文化
  • 情報

に分けることができます。

 

若い人は「情報」によっても変わってくることがあるそうです。

また、日本酒の味覚のキーワードが「甘口」になってきている。昔は「淡麗辛口」でした。

 

この様なことから、初めて若い世代が主体的に飲み始めたということが言えるのではないのでしょうか。

 

昔と飲み方も変わっています。だからこそ。昔の尺度では測れなくなっています。

 

次の時代のお酒の飲み方を若い世代が提案していかないといけません。

このタイミングは、日本酒が日本におけるお酒のメインのお酒に返り咲きするチャンスなのかもしれません。

 

これから、お酒の新しい時代の幕開けかもしれませんね。

 

さいごに

今回は食と酒に関する内容でした。

なかなか面白かったです。

具体的に◯◯と日本酒が合うみたいなものを聞けると思っていましたが、日本酒はなんでも合うんですね。具体例など一つも出てこなかったです。笑

 

匂いのお話は知らなかったので勉強になりました!

 

淡麗辛口や甘口で合う料理は流石に違うので、自分にあった料理と日本酒の組み合わせを探していきたいなと思いました。

 

こんなに日本酒に関するブログを書いていますが、執筆初めの頃は正直日本酒が苦手でした。

色々な種類を飲むにつれて、好んで飲めるようになりました✨やったー🍶

 

楽しみが一つ増えたとさ。😎

 

今回もお読みいただきありがとうございます。

次回もお楽しみください!

 

第9回の記事はこちらです!

balius-1064.hatenablog.com