モノづくりの街 『燕三条』 を見てきたお話
素敵な出会いがあり、新潟県にあるモノづくりの街「燕三条」を視察させていただきました。
色々と感じたことがあったので、メモとして残しておきます。
目次
燕三条
有名な場所であるとは思っていますが、新潟をよく知らない人も多いと思うので、燕三条の基礎知識を書いておきます。
場所はこちら。ちょいっと見にくくすみません。。これは燕市ですね。
新潟市からも近く、海にも近く、山にも近い。いい環境です。
僕、やっぱり田舎が好きです。
上越新幹線ですと、燕三条駅があります。ぜひお越しください!!(誰。笑)
今回は燕市を色々と視察してきました。
それでも、3300もの工場があるそうです。
産業の歴史等はこちらで。
モノづくりに対して本当に熱い街で、工場の祭典を行なっていたりします。昨年度行きたかったのですが、行けず、、今年こそは行きます!
素敵な出会い
僕の後輩で、色々なことをめちゃめちゃ頑張っている可愛い後輩ちゃんが、燕市にある明治屋の5代目大橋さん(かずさん)と知り合いで、僕を紹介していただき、ご飯を食べたのがきっかけでした。
僕の活動にも興味を持っていただき、かずさんが僕に合ったコースを考えていただき、全部で7ヶ所を案内してくれました。
かずさんは本当に凄い方で、人脈の広さ、信頼が半端なく、そして街づくりに関しても熱く、何かしらイノベーションを起こしたいと考えていらっしゃいます。そしてなによりカッコいいです。笑
今回は、かずさんの案内のもと、僕の相方と可愛い後輩ちゃん、そしてぬまっちの5人で色々なところを周りました。
(ぬまっちって誰?と思うかもしれませんが、最後にちゃんと書きます!本当に熱く、凄い方です。)
玉川堂
最初に行ったのは鎚起銅器のこちら。
正直鎚起銅器をあまり知らなかったのですが、とても面白く見ることができました。
外見はこんな感じ。無形文化財に認定されています。
中はこんな感じ。叩いている音が響き渡っています。
こんな感じで、1枚の銅板から叩きだけで作っていきます。急須が継ぎ接ぎなしで作れるのすごすぎる。
この技術を習得するまで15年ほどかかるそうです。
これいつか絶対に買います。実際に鎚起銅器で作ったおちょこで日本酒飲みましたが、うまかったですぅ🍶。(日本酒がそもそもいいもの飲んだ説もありますがw)
様々な工程がありますが1人の職人で全行程できる様に修行しています。彫金師は専業だそうです。
昔は作れば売れる時代だったのですが、それが時代の変化とともにそうではなくなってきています。
様々な工夫はしていて、美術的要素を入れていたり、工場と銅から作るというところは変えずに、作るものを変えていたり、変化に柔軟に対応はしているように見えました。
急須や湯のみとかは量産されているモノでもあるので、ただ日常的に使うための目的であれば、ここのモノを買う必要はありません。
しかしながら需要はまだまだあります。ただ、さらなるブランディング、売り方を変えるだけでその価値はまた変わってくる気がします。
ブランディングだけでなく、ストーリーの共有で物を売る必要があります。そのための手段として、作っている工程、想いを伝えるための工場見学をしています。
6年前には600人程度だった見学者は、外国の方も増え、去年は4000人程のお客様が来たそうです。
ここにまた新しい可能性と、勝機、転機があると思いました。
この急須にで煎れるとうまいお茶も販売されていて、面白いなって思いました。
私もクリエイターなので、職人魂も分かる気がします。
どう売るか、どう魅せるかでモノを売っていきたいですね。
藤次郎
こちらは包丁を作っている藤次郎です。
初めて800度程の炎を見ました(笑)
テレビで見ていたものだ!
こんな感じで、鉄の材料を1から叩いて作っていきます。
工程はこんな感じ。
この包丁、持ち手も畳んでいくことで作られています。
半端なくかっこいいです。
これも買います。絶対。
杭州飯店
お昼ご飯は燕三条名物「背脂中華そば」。
ここのはマジでうまいです。老舗で、燕市の中でも有名。
地元の方からも愛されていて、お昼時は毎日のように並ぶそうです。
山崎研磨工業
磨き技術の老舗です。
こんなにピカピカになります。
モノありきの仕事なのは確かです。営業はそこまで出来ないと言いつつも、iPodを磨いていた実績もあります。技術は確かなものです。
確かに、1日でできる量は決まっていたりしますが、同じ地域で回して、新しい地元産の何かができるのではないのかと、期待できました。
周りと繋がっていかないと。
ミノル製作所
今までの見学とは明らかに違うなと思ったところが、若い人が多いということ。
そして、代表の本多さんが本当にお熱い方でした。(この地域熱い方が多い。)
この地域がこのままでは衰退してしまうという危機感を持ちながら、若手への投資をしています。
小ロットと中ロットを持っていて、注文数や質によって作り方を変えています。
これは、へら絞り機です。手で押し当てていくことで形を変えていきます。
こちらはスピニングマシン。
上と同じ要領なものを、機械が自動で行います。
燕三条のモノづくりが成長してきた過程には、希望通りの試作を作るところが始まりだったそうです。
相手が本当に欲しいものを作る。これは分野変わらず、どのクリエイターにとっても同じ大切なことですよね。
特に、ちょっとの変化に弱いのが金属だからこそ、最初の試作がとても重要になってきます。
大量生産の世の中になった金属分野で、マネされるようなマネされないものを作っていくのが大切とのことでした。
また、この地域には真の技術と、いいアイデアの製品はいっぱいあるものの、売り方を知らずに埋もれてしまっているものは多いそうです。
昔は作れば売れる時代だったからですね。売り方を学べずに時代の変化がきてしまったんだなと感じました。
結局、どこに売ったかも分からず、売れるかどうかの判断は大きい商社に委ねるしかないそうです。
D to Cをしっかりやり、自分の子供のように大切な製品をちゃんと届けるところまでやらなくてはいけないなと思いました。
ここで聞いて驚いたことが、周りにたくさんの工場があるのは分かるが、そこで何が作られているのかが分からないということ。
なぜ連携しようとしないのかが不思議でした。衰退しつつある中、いかに協力するかが鍵になってくると思いました。
また、せっかく技術をもった老人の方々が、後世に伝えることをせずに、技術を持った人がどんどん少なくなってしまうということ。
確かに、1日5000円ほど稼げれば生活に苦労はしないとのこと。
ただ、生きるとかそういう以前に、コミュニティの盛り上げや、若い力の育成等、できることがいっぱいあるのになんでやらないのかが引っかかりました。
事実、アメリカの老人の方は本当にコミュニケーションも好きで、教えるのも好きで、コミュニティの活性化をしようとしていて、その活動自体を活き活きやっている様に見えました。
人気料理店と同じで、ブランディング(製品へのストーリー付け等を含め)をしっかりやると共に製品の質を高めていき、人気料理店と同じで何年待ちでも客の予約が入るようなモノを作るのが大切なんじゃないかと思いました。
MGNET
未来の可能性が見えた会社さんでした。
この会社自体は、僕の言葉で説明すると、燕三条のものづくりにおける、コミュニティマネージャー的存在だなと思いました。
ものづくりを前進させる、環境づくりをしている会社です。
Make Good Network
社名の由来の時点でもうかっこいい。笑
この会社が有名になったのは、親会社である武田金型製作所が作り有名になった「マジックメタル」です。
(工場という文字が読めますか?w)
詳しくはこちらをご覧ください。
武田修美さんの考えにものすごく共感できるものもありました。
もっとお話ししたかったです。
酸化発色テクノロジーを使った「As it is」。これすごかったです。写真撮るの難しいんですけどね(笑)
塗料なしで、光の屈折で虹色のような色になります。
ネットワークの力でモノづくりを加速させていきたいですね。
夜、出会い
今日1日一緒に行動をし、様々なことを教えてくれたぬまっちのゲストハウス、トライアングルへ行きました。
(やっとぬまっち出てきました!笑)
CAMPFIREでクラウドファンディングをし、ここ燕三条に移住してきた方です。
すごい熱い想いと行動力があります。人を惹きつける力、憧れます。
詳しくはこちらを読んでください!そして、ぜひ会いにこのゲストハウスを訪れてください。深いお話を聞くことができます。
ゲストハウスに着き、17時ぐらいから飲み始めました。
世界一周のお話を聞かせていただいたり、熱い想いを聞かせていただいたり、、酒はやはりいいですね〜
かずさんが、超レアなお酒をいっぱい持ってきてくれました🙏
途中で夕飯を食べにこちらへ。
すごいレトロで雰囲気最高で、ナポリタンめっちゃうまかったです。
ここでも飲みました(笑)
その後も結局朝5時まで飲み続けました(笑)12時間も!!
酒場はイノベーション創造の場ですね、やっぱり。
地元の色々な方々も遊びに来てくれて、いっぱい色々な方とお話しすることができました。本当に楽しい、おいしいお酒でした。
さいごに
いい経験ができ、自分のやりたかった「観光」×「地方創生」のリアルが見えた気がします。
しかしながら、僕の得意分野のインターネット、テクノロジーを活かしながら地方創生をやりたいのですが、なんせ地方創生はやはり時間がかかるものです。そのギャップをリアルに感じることができました。
そして、インターネットに付いてくるのが難しい世代もあります。(これは日本独特な気がする。。)
なぜ付いてこれないのかって所の原因は少し分かっているので、それでも使いたくなるようなモノを作っていかなきゃいけないですね。
ただ、収穫はとても多かったです。
感謝経済とまではいきませんが、そこにはシェアの文化、お互い様の文化がありました。ここにすごい可能性を感じました。
自分の想いを言語化して伝える難しさ
リアルのネットワークの重要性も分かり、オンラインのネットワークの重要性もわかるという認識はあったので。この隙間をテクノロジーで埋めたいです。
地元に住んでいると気づけないような、自分達だと価値だと気づけてないものに価値を付けれると思います。そこで重要になってくるのはやはりストーリーですね。
ストーリー付がうまいのは、僕の中ではタモさんなのかなと思います。NHKの「ブラタモリ」見るだけで、そこに行って体験したくなりますもんね。
シャンパンの価値が高いのも同じ気がします。日本人はストーリー付が下手ですね(笑)
ものづくり、エンジニアリングはやっぱり楽しいです!
国内だけじゃなくて海外に売っていく力のところとかを勉強していきたいです。
新潟の、奥ゆかしい県民性を変えていく必要がありますね。それに微力ながら協力していきたいと思いました。
今回の視察で、燕の過去と現在、未来を見ることができました。
今回お世話になった方々にもぜひ読んで欲しい本です。絶対に参考になると思います。
田舎いいですねっ。やっぱり。
第2の地元新潟で、また好きな場所見つけれて嬉しいです😊燕大好きになりました😄
地方創生やっていくぞ!
今回は、かずさんぬまっちをはじめ、たくさんの方にお世話になりました。ありがとうございました。また行きます!!🏃♂️