努力なくして力なし

株式会社Ripariaの代表です。新潟在住の大学院生です。都会と地方をつなぐ会社を作っています。セキュリティやIT企業でのインターンに関する記事が多いです。

『日本酒学』第5回 ー新潟大学ー

新潟大学で開講されている『日本酒学』第5回です。

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(新潟の人は分かるかもしれませんが、背景は弥彦神社です⛩)

 

第4回の記事はこちらをご覧ください。

balius-1064.hatenablog.com

 

今回のテーマは

『日本酒の地域性』

 

講師の方は、先週に引き続き、新潟県醸造試験場の場長である金桶光起さんです。

 

今週、「全国新酒鑑評会」の結果が出ましたので、こちらも合わせてご覧ください!

balius-1064.hatenablog.com

 

目次

 

今回のお話は、大きく歴史に関するお話がほとんどでした。

私が気になったものを取り上げていきます。

 

地域性

最初に、地域性』の結論から。

日本酒にとっての地域性とは

  • 気象
  • 原料米
  • 副産物の利用
  • 伝統食

が大まかに挙げられます。

気候原料米に関してはこれまで読んでいただいた中でなんとなく皆さんにも分かると思います。

」は、昔は出稼ぎとして酒造りをしていたこともあり、地域性が表れていたりします。

副産物の利用」と「伝統食」に関しては、酒造りを通して出てくるものをどのようにアレンジしていくかや、それを活かした料理等、違いが地域性として表れてきます。

 

酒造方法は全国ほとんど同じです。地域性が出てくるのは、これらの要因によっての味の変化といってもいいのではないでしょうか。

地域性というより、「酒屋万流」と言い表していました。

簡単に言うと、「蔵癖」ですね(笑)

 

そもそも、なぜ全国で造り方がほとんど変わらないのでしょうか?

この答えは、昔は税として多くの割合を占めていた酒税をしっかりと取らないといけないため、国としてもしっかりと教育をしてきたからです。

 

日本酒の歴史

日本酒の歴史も、様々な角度からみることができます。

器(弥生土器)や「魏志倭人伝」や「播磨国風土記」といった書物などから日本酒の歴史をみました。

人類は結構昔からお酒を好んで飲んでいたことが分かり、ちょっとほっこり。

この「播磨国風土記」に、麹カビを使った酒造りに関する最初の記述があるそうです。

個人的に、弥生時代の調理に蒸し器を使っていたところ、蒸した米に麹カビが生え、お酒になっていたというものが面白かったです。(推論話ですが)

たまたまお酒が生まれるという。こういった、なんでこれを人類は食べ始めたのだろという、最初を知るのちょっと興味あります(笑)

 

また、新潟における酒造りに関してですが、新潟の人は仕事がなくなると西の方に出稼ぎに行き、そこで技術学んできて、新潟で広げていたようです。

 

地形と名水

日本海側に合った米作りがあるように、日本海側に合った酒造りを新潟は生みだしてきました。新潟にも県の名水は62ヶ所あり、環境省の「名水百選」には6ヶ所選ばれています。

新潟県の酒造は89社ありますが、新潟県全土に広がっていて、名水が直接関係しているという訳ではなさそうです。

発酵させる温度・時間が水によって違うため、日本酒に特徴が出てきます。

 

そもそもの軟水と硬水の違いです。

軟水

  • カルシウムやマグネシウムなど硬度成分が少ない
  • 比較的長い時間かけて発酵
  • 酸は少なめで、なめらかできめの細かい淡麗な風味

硬水

  • 酵母の栄養源となるミネラル分が多い
  • 比較的発酵時間が短い
  • やや酸の多い辛口タイプ

新潟県秋田県軟水で、石川県や灘の宮水が硬水ですが、そもそも日本の水自体、海外から見るとほぼほぼ軟水といってもいいほどの差が、海外の硬水とあります。

そんな微妙な差の中で味が変わってくるの、面白いですよね!

 

日本酒造りは、全国的に機械化が進んでいるため年中を通して行うことが普通なのですが、新潟県三期醸造しています。

気温の低い冬を中心に酒を造り、春から秋は米を作っています。お酒自体は、貯蔵熟成を経て年間を通して出荷されます。

 

だからこそ、新潟県食べる米、酒造米共に出荷量が多いです。酒米生産地は全国2位です。

 

酒質の変遷

日本全体の変遷として、濃醇甘口➡︎淡麗辛口という傾向が見られます。

産業の変化や時代の変化によって、好まれる味が変わってきたことや、酒米の発展が影響として考えられます。

また、大量生産できるメーカーに負けじと、地方は高級酒にシフトしていった傾向も見られます。

 

新潟県出荷量は全国3位(シェア8.1%)で、吟醸酒の国内シェアは1位だそうです。

 

また、酒のしおりによりますと、新潟県人は、清酒の消費量が日本1位です(笑)

さすがですね。

 

こんだけ、酒の国であるからこそ、「新潟酒の陣」で2日間で14万人もの集客ができるんですね。納得しました!

今年は行ってみたい。

 

さいごに

今回は地域性に関してみてきましたが、お酒の造り方も変わらず、本当に繊細なところで独自の風味・味わいを出していることが分かり、尚更職人の技ってすごいなぁと感動しました。

結論からすると、この銘柄は辛い、甘い、淡麗、濃醇といった味の違いは一概には分類することができず、同じ銘柄でも吟醸酒だったり本醸造酒だったりと特定名称酒の違いによっても味が変わってきます。

これは飲んで味わうしかないですね🍶(笑)

 

途中、歴史に関して人名もだして色々と紹介していただきましたが、今回は割愛させていただきます。

 

今回もお読みいただきありがとうございます!

みなさんもたくさんの地域の清酒を飲んで味わっていきましょう!

 

第6回の記事はこちらです。

balius-1064.hatenablog.com

『全国新酒鑑評会』新潟県の結果について

本日(2019年5月17日)に、平成30酒造年度全国新酒鑑評会入賞酒が発表されました。

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これは、酒類総合研究所が毎年出しているもので、その年の評価の高い日本酒が分かります。開催概要としても以下の通り記載されております。

 平成30酒造年度に製造された清酒を全国的に調査研究することにより、製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにし、もって清酒の品質及び製造技術の向上に資するとともに、国民の清酒に対する認識を高めることを目的としています。
 現在、全国規模で開催される唯一の清酒鑑評会であり、製造技術と品質の向上に果たす役割は極めて大きいものがあると考えています。

www.nrib.go.jp

 

新潟大学で開講されている『日本酒学』の講師の方に、本日発表されるから楽しみにしてなと言われて、初めてこの賞の存在を知った程の未知でしたが、発表されたものを見てみると面白いですね!

 

今回の出品点数は857点でした。 

 

審査結果

  • 入賞酒:416点(成績が優秀と認められた出品酒)
  • 金賞酒:237点(入賞酒のうち特に成績が優秀と認められた出品酒)

 

新潟県の受賞結果

新潟県における受賞結果を見てみます。

入賞32点、金賞15点

以下が、入賞と金賞☆)のリストです。おめでとうございます!

  • 「越乃景虎」諸橋酒造株式会社
  • 「お福正宗」お福酒造株式会社
  • 「柏露」柏露酒造株式会社
  • 「想天坊」河忠酒造株式会社(☆)
  • 雪中梅」株式会社丸山酒造場(☆)
  • 妙高山妙高酒造株式会社(☆)
  • 「君の井」君の井酒造株式会社
  • 「越の誉」原酒造株式会社(☆)
  • 「長者盛」新潟銘醸株式会社
  • 「松乃井」株式会社松乃井酒造場
  • 「越路乃紅梅」頚城酒造株式会社(☆)
  • 「久保田」朝日酒造株式会社 松籟蔵
  • 「久保田」朝日酒造株式会社 朝日蔵(☆)
  • 「髙千代」髙千代酒造株式会社(☆)
  • 「八海山」八海醸造株式会社
  • 苗場山」苗場酒造株式会社(☆)
  • 「越乃寒梅」石本酒造株式会社(☆)
  • 「鶴の友」樋木酒造株式会社
  • 越路吹雪」高野酒造株式会社
  • 「越乃八豊」株式会社越後酒造場(☆)
  • 「越乃梅里 大吟醸」株式会社 DHC酒造
  • 「真野鶴」尾畑酒造株式会社(☆)
  • 「菊水」菊水酒造株式会社 二王子蔵
  • 「王紋」市島酒造株式会社
  • 「大洋盛」大洋酒造株式会社
  • 〆張鶴」宮尾酒造株式会社(☆)
  • 「越乃雪椿」雪椿酒造株式会社(☆)
  • 「萬寿鏡」株式会社マスカガミ
  • 「越後桜」越後桜酒造株式会社(☆)
  • 「白龍」白龍酒造株式会社
  • 麒麟山」麒麟山酒造株式会社(☆)
  • 「伝衛門」株式会社越後伝衛門

 

全ての結果はこちらです。

 

全国で見てみても、入賞に関しては全国1位でした!✨

素晴らしい👏

 

受賞の多かった県を載せておきます。(1位:赤 2位:緑 3位:青)

  • 宮城県(入賞:18点 金賞:13点)
  • 秋田県(入賞:23点 金賞:18点
  • 山形県(入賞:21点 金賞:13点)
  • 福島県入賞:31点 金賞:22点
  • 新潟県入賞:32点 金賞:15点)
  • 長野県(入賞:26点 金賞:14点)
  • 兵庫県入賞:27点 金賞:16点
  • 広島県(入賞:18点 金賞:8点)

総合的に見るとお隣の福島県が高そう!

やっぱり東北地方や日本海側が美味しい日本酒多そう。

そしてやっぱり兵庫、広島は強いですね!!

 

新潟県の今後の日本酒の発展を期待しています!

以上、速報レポートでした。

『日本酒学』第4回 ー新潟大学ー

新潟大学で開講されている『日本酒学』第4回です。

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第3回の記事はこちらをご覧ください。

balius-1064.hatenablog.com

 

今回のテーマは

『日本酒とは② 〜製造方法の基礎〜』

 

講師の方は、新潟大学農学部城斗志夫さんと、新潟県醸造試験場の場長である金桶光起さんです。

 

目次

 

まず初めに城さんから導入のお話がありました。 

微生物について

食品の加工に使用される微生物として、乳酸菌やビフィズス菌、青カビ、白カビ、納豆菌などがあります。 

日本酒では、酵母麹菌が使われています。

 

酵母とは?

出芽あるいは分裂により増殖し、生活環の大部分を単細胞で過ごす真菌類の総称

アルコール発酵能が高いという特徴を持つものもいます。餌としてグルコースのような糖質を必要とし、酸素を少なくするとアルコール発酵を起こします。

エネルギーを作っているのですが、その副産物としてエタノールが出てきます。

 

麹菌とは?

特徴として、自らが増えていくためにデンプンやタンパク質などを分解する酵素を多量に作る力が強いです。

日本の伝統的発酵食品の製造によく利用され、「国菌」として認定されています。

麹菌の中には、アフラトキシンのような毒素を出す有害なものもいます。

 

ビール発酵やワイン発酵は1種類の微生物のみを利用します。

なぜ日本酒は2種類の微生物を必要とするのでしょうか?

また、日本酒の製造において、麹菌はどんな役割を果たしているのでしょうか。

そんなお話を解明していきましょう!

ということで、ここから金桶さんバトンパスです。

 

醸造試験場について

日本で唯一清酒専門の研究機関です。

新潟県の日本酒の品質向上のために大正13年に設立されました。設立89周年。古いですね。

当時、県に設備を建てるだけのお金がなく、酒造組合が設備整備をし、新潟県に寄付したそうです。

当時は酒造りのエリートが集まってきて、日本全国の半分以上の蔵が、新潟から巣立った人が作っていたそうです。新潟ってすごいですね。

特徴として、試験場なのですが、酒蔵と同じように清酒を作って売ることができる本免許を持っています。

本免許持っている試験場は「広島」と「新潟」だけだそうです。広島行ったことがないので行ってみたいです。

やっていること

  • 酒米の開発
  • 新技術(新潟の気候風土にあった酒造り技術)の開発
  • 人材教育

新潟の清酒約7割ぐらいはここで誕生した越淡麗という酒米を使っています。

お酒そのものの開発もそうですが、酒を醸すステンレスやチタンの研究までも行っています。お酒周りの研究を色々しているんですね。

日本酒は機械で製造されるようになってきていますが、機械で測れないような香りや味を人間は感じ取れるため、人材教育も継続してやっています。味や香り周り、機械だとやっぱりまだ完全再現無理だなってのはなんだか分かります。

また、海外でしっかりとした品質のものをちゃんと売るために、産地判別技術の開発も行なっています。

 

酒の分類・清酒の定義

これは毎回聞いていたので、もうなんとなく染み込んできました。笑

www.japansake.or.jp

いつもの内容でしたが、こちらがなかなか分かりやすかったです。

色々と細かく決まっているため、逆に自由度がないそう。

 

今回も、前回と同じようなキーとなる言葉が出てきました。もう大体マスターしてきましたね。笑

 

  • 酒の定義
  • 酒の分類
  • 清酒の定義
  • 日本酒の種類(特定名称種)
  • 精米歩合

 

みなさんは説明できるようになりましたか?笑

時間があればしっかりまとめたの書こうと思います。

 

分からないものがあったら、詳しくは、第2回・第3回の記事に書いてあります。

balius-1064.hatenablog.com

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今回新しく面白いなと思ったのは「醸造アルコール」と「吟醸づくり」です。

 

醸造アルコール

でんぷん物質や含糖質物を原料として発酵させて蒸留したアルコール

吟醸酒本醸造酒に使用できる醸造アルコール重量は、白米の重量の10%以下です。

戦時中にお酒を2倍、3倍と薄めていたことがこの技術の進歩に繋がっているそうです。

現在は、技術が高くなっているからこそ、増量のために添加しているわけではなく、むしろ香りや味が良くなるため、添加しているそうです。

醸造アルコール」と聞くと、なんだかアルコール度数を高めるためだけにただアルコールを追加しているのかな?と思っていましたが、全然違く、むしろ逆でしたね(笑)

 

吟醸づくり

吟味して醸造すること

 なんだか定義が曖昧ですね(笑)

伝統的に、より良く精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、粕の割合を高くして、特有の芳香(吟醸香)を有するように醸造すること

とありますが、簡単にいうと手間暇かけて作ったってことですね。多分(笑)

 

清酒の製造工程 

「一麹、二もと、三造り」

日本酒造りにおける重要な工程を表した言葉です。

歴史としては室町時代に基礎が作られ、徳川時代にはほぼ完成していました。

その後、明治時代に西洋科学の成果を取り入れて改良し、第二次世界大戦に生化学、微生物学、化学工業の進歩で飛躍的に発展しました。

 

それでは細かく見ていきましょう!

 

第一工程[蒸米製造工程]

この工程では、「玄米」から「蒸米」を作ります。

 

まず、「玄米」精米「白米」を作ります。

摩擦熱で米の水分が抜かれると米が割れてしまいます。そのため、割れないようにゆっくりやります。

ここの良し悪しで味が変わってきます。

 

洗米が第二の精米工程です。この時米は手で潰せるぐらい、脆くなっています。

その後浸漬をします。この工程は、名前の通りお米に水を吸わせます。1%とか、0.5%単位でやるそうです。吸水率がここで決まります。

大吟醸は35%程の吸収率にするそうです。(この工程に3日ぐらいかかります)

吸収率は今後の工程に大きく影響してきます。

 

一晩水切をし、翌朝それを蒸します。最後に温度を調整すると「蒸米」の完成です。

 

精米歩合を低くすると、タンパク質や脂質が減ってくるため、お酒の味が一般的に良くなると言われています。

米が脆いため、機械でやると粉になって流れてしまうため、手作業でやります。

 

第二工程[麹製造工程]

この工程では、「蒸米」から「麹」を作ります。

 

簡単に言うと、食べられるようにカビさせる工程です。

麹室と呼ばれる温度湿度を管理できる部屋に入れて、蒸米に麹種を入れカビさせます。この工程には40〜50時間かかります。

 

種麹を売るような会社も昔はあったそうです。

 

出来上がった麹を麹室から出して冷却して乾燥させることを出麹といいます。最高品質は42度付近で、12時間程度経過したのちに出麹します。このタイミングも蔵によって違うそうです。

αアミラーゼグルコアミラーゼがないとブドウ糖ができないため、アルコール発酵ができません。だからこそ、この2つをすごく大切にしていたそうです。

この工程が終わると、日本酒特有の風味が形成されます。

 

麹の種類

麹にも種類があります。 

  • 黄麹 ー 清酒、醤油、味噌
  • 黒麹 ー 焼酎、泡盛
  • 紅麹 ー 赤い酒
  • 白麹 ー 黒麹の変異株。焼酎

 

第三工程[酒母製造工程] 

この工程は、酵母の培養工程です。

 

麹 + 水 + 純粋酵母醸造用乳酸 からなる水麹を仕込んで育成し、酒母を作ります。

 

酵母の役割

酒母

醪を醗酵させるための酵母を培養したもの

酵母(酛ともいう)

糖を醗酵してアルコールを作る

清酒製造は開放醗酵のため、醪の健全性、優良な品質を保つためには酵母の役割が非常に重要になってきます。

 

この工程で、phを下げて(雑菌の繁殖を防ぐ)「麹」からαアミラーゼとかを水の中に出していきます。育成には、14日間ほどかかり、酵母を何億という数に増やしていきます。

 

清酒醸造に使用される酵母にはたくさん種類があり、現在使われている有名な酵母は、各々の蔵が発祥となり、自然に作り出した酵母を集めて、増殖させて、全国に配り始めたものが使われています。 

清酒の香りと酵母

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第四工程[もろみ製造工程]

この工程では、4日間かけて「もろみ」を作ります。

 

もろみは三段仕込みになっています。

今まで作ってきた 水 + 麹 + 酒母 + 蒸米 を段々と仕込んでいき、「熟成もろみ」を作ります。

  • 初添(1日目)全体の1/6を仕込みます
  • (2日目)休み
  • 仲添(3日目)全体の2/6を仕込みます
  • 留添(4日目)残りの3/6を仕込みます

1度に仕込むとダメなんです。

 

そして最後にもろみ管理をしながら醸造アルコールを醗酵させているところに入れると、「熟成もろみ」が完成します。

 

なぜ清酒酵母は他の酵母よりエタノール生成能が高い?

清酒酵母エタノールなどのストレスに強いのではないのかと仮定されましたが、実際には実験室酵母より弱いそうです。

もろみ仮定を続けていくと、実験室酵母は防衛本能で、途中からアルコールを出さなくなります。しかし、清酒酵母は限界まで出し続けるため、エタノール生成能が高いです。 

 

第五工程[市販酒製造工程]

この工程では、市販されるお酒を作ります。

 

この図のような工程です。 

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上槽でしぼり、おり引きで沈殿させ、それをろ過することで「新酒」が出来上がります。

新酒を、65℃〜70℃程で火入れを行い「原酒」が出来上がります。

原酒は20℃ぐらいで、飲んでみるとピリピリするそうです。

原酒を、白い沈殿を出さないようにおり下げを行い、様々な工程を得て「市販種」が出来上がります。

 

また、「生酒」好きだなーって思っていたのですが、違いを理解していませんでした。

この図でスーパーとかで市販されている普通の日本酒と他の色々な呼ばれ方をしている日本酒の違いが分かります。

生酒は消費期限近いですがマジでうまいんですよね。。😋

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新潟の酒米

新潟の酒米についてです。

五百万石

1982年に「菊水」「新200号」の交配で完成しました。

味としては、水のような淡麗辛口になるような酒米でした。

越淡麗

新潟だけのお米で大吟醸を作りたいという思いから、1989年に山田錦「五百万石」を交配させ、完成しました。

特徴として、高精白にしても割れにくく、高度な吸水性があるため良い蒸米に仕上げることができます。

 

そもそも、私たちが食べているお米と酒米の違いについてです。

酒米になるお米は酒造好適米と呼ばれ、

  • 粒が大きい
  • 心白がある

この2つが特徴です。

 

さいごに

今回は一番面白い、「作り方」をしっかりと知ることができました。

今も昔も、作り方は変わらないんですね。酒造見学尚更行きたくなってきました。

だんだんと日本酒に関して詳しくなれている気がします。

 

今回も読んでいただきありがとうございます!

次回もお楽しみに!

 

第5回の記事はこちらです。

balius-1064.hatenablog.com

『日本酒学』第3回 ー新潟大学ー

新潟大学で開講されている『日本酒学』第3回です。

 

第2回の記事はこちらをご覧ください。

balius-1064.hatenablog.com

この記事で、ありのままを書きすぎたところ著作権公衆送信権に関して少し怒られまして、、(苦笑

僕の中で噛み砕いた内容を書いていきたいと思います!(噛み砕くもなにもない気もしますが、、)

 

今回のテーマは

『日本酒と税金』

 

講師の方は、関東信越国税庁井原信二さんでした。

 

目次

 

国税庁に関して

日本酒と税は深く関連していて、今回はそのお話です。

まず、そもそもの国税庁という組織に関してのお話がありました。

 

任務と使命

www.nta.go.jp

こちらのページにも書いてありますが、適切で公平な税の徴収を実現するための組織です。

 

税収構造の推移

税収の構成に関するお話がありました。

グラフは載せていないのですが、明治30年に1億円だった税収は、平成30年には638,003億円になっています。

また、税収における酒税の割合が面白く、明治30年に30.8%だった割合は、平成30年に2.1%になっています。少なくなってはいますが、収入は多くなっています。(当たり前ですが、、笑)

昔は酒税が本当に大きい意味を成していたんですね。酒税が国を支えていたんですね。

 

平成30年の酒税は13,110億円で、内訳はビールが最も多く、清酒(日本酒)は602億円です。

酒税は景気の影響を受けにくいため、国にとっても安定収入になります。

 

酒税の歴史に関してのお話もありました。室町時代足利義満が壺単位で税を取っていたことが発端だそうです。

江戸時代から免許がないと作れないようになり、酒造株制度として税を取っていたようです。

明治時代から近代的な税が誕生し、醸造がうまれました。

 

密造酒の取り締まりに関するお話として宮沢賢治も小説を書いています。

www.aozora.gr.jp

 

酒税の課税数量の推移としては、清酒は、平成元年に1,353億円(全体の15.4%)だったものが、平成29年には525億円(全体の6%)となっています。

平成に入ってからは酒税自体の収入額は徐々に減ってきていますが、清酒に関しては特に下がってきちゃっています。免許の数も2494場だったものが1755場と、700〜800場も減っています。

 

日本産の酒類は年々輸出額は増加していて、清酒の輸出も8年連続上がってきています。

輸出先ランキングは

  1. アメリ
  2. 香港
  3. 中国

となっています。

全国の1割が新潟からの輸出で、新潟県内の7割の酒造が輸出をしています。

 

酒税の概要

そもそもなぜ酒から税金を取るかの根拠

  • 生活のための必需品ではないから
  • 医療費や、世間に迷惑をかけないため
  • 消費量が多く、収入に関係ないから
  • 景気の影響を受けにくいから

酒税の特色

  • 製造・販売業に関する免許制度
  • 酒の種類によって税率が違う
  • 罰則規定が厳格(けっこう厳しい)

免許制度を取っているのは、お酒は高い税金をかけているため、税への転嫁を容易にする目的があります。また、検査をしっかりするためでもあります。

 

高いお酒買える人は高い収入だろって感じで税金も決まっているそうです。(噛み砕きすぎたかも。笑)

 

酒類の定義・分類 

定義

  • アルコール分1度以上の飲料

粉末状で水を加えるとアルコールになるものも含まれるそうです。摂氏15度において測るそうです。

分類

品目においてグレーゾーンというものは全くなく、非常に厳格です。各品目における、原料、製造方法に関する概要も決まっています。

 

清酒の定義

前回と同じお話ですね。

原料製法によって厳格に決まっています。

www.nta.go.jp

昔あった三増酒っていうもの(僕は知らない)はもうなくなっているそうです。

 

製造免許に関して

  • 人的要件
  • 過去に犯罪歴や税金の未納がないかどうか。
  • 場所的要件
  • 検査取り締まり上、製造場と販売場が合わさっていないかどうかなどの要件。
  • 経営基礎要件
  • その会社が潰れないかどうか。
  • 需要調整要件
  • 需要が少ないと許可が出にくい。
  • 技術・設備要件
  • 設備がしっかりしているか。酒造り経験をしっかりしてきたかどうか。

需要によっても許可が出にくいっていうのはなかなか面白い要件だなと思いました。

とりあえず申請で許可が出るものではないというのは分かりました。

 

酒の種類のよっても税率は変わります。

ビール本当に高いんですね(笑)。あまり実感していませんでした。(販売額の約4割ぐらい税金)清酒は2割ぐらいですね。

 

税収の未来はこんな感じだそうです。(税収改正)

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2017/explanation/pdf/p0919-0950.pdf

 

ラベルに関する表示

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  1. 特定名称(吟醸、純米、本醸造等)
  2. 品目(清酒or日本酒)
  3. 原料米の品種
  4. 製造者の名称及び製造場所在地
  5. アルコール分
  6. 原材料名(水は書かない)
  7. 精米歩合特定名称酒の場合のみ)
  8. 内容量
  9. 製造時期
  10. 未成年者飲酒防止の注意 

こんな感じでラベル表示も決まっています。裏ラベルも面白いそうなので見てみるといいですね。飲みやすさ等の評価が書いてあります。

そこで出てくるのが日本酒度という概念。清酒の比重を示していて、甘口辛口を決めています。

こちらを参考に。

jp.sake-times.com

 

最後に「お酒の地理的表示(GI)」に関してのお話がありました。

お酒のブランドを決める表示です。新潟はまだないので、こういうところをきっちりしておくのもいいのではないかと思いました。

sakefanworld.info

 

さいごに

税が関係してくるため、お酒は全てが厳格に決まっているんだなと感じました。

昔の日本を支えていたのは酒っていうところがあまり実感ないですが、日本酒と税は切っても話せないんですね。

 

第4回の記事はこちらです。

balius-1064.hatenablog.com

『日本酒学』第2回 ー新潟大学ー

新潟大学で開講されている世界初の学問『日本酒学』第2回です。

 

第1回の記事はこちらをご覧ください。

balius-1064.hatenablog.com

 

今回のテーマは

『日本酒とは① ~米から醸される世界の酒~ 』

 
講師の方は、新潟県酒造組合、副会長の平田大さんです。

 

目次

 

基礎知識 

前半は日本酒に関する基礎知識のお話です。

基礎知識といえど、化学のお話が主なもので、僕にはちょっと難しかったです。笑

 

前半の講義をまとめると、

  • だからこそ、日本酒にとって水が超重要。

こんな感じです。(笑)

 

水の大切さ

水の性質に関して

  • 水分子は部分的に電荷を持つ
  • 水分子は多様な物質を溶解出来る
  • 部分的に電解することによって、水同士も相互作用
  • 特異な相変換

 

日本酒は水商売と呼ばれていたそうです。(本当かな?w)

酒屋は良質な水を求めに行っていました。

理由としても、日本酒の80%は水で出来ているからです。

 

名水の基準

  • ph中性
  • 臭気-
  • 硬度<50ppm
  • 細菌群-
  • 天然水・地下水
  • 有機物消費<1.5
  • Fe<0.02
  • Cl-<50

 

アメリカ硬度(CaCo3, mg/L)=ドイツ硬度(CaO, mg/100mL)×17.8

 

世界保健機関WHOの基準では軟水や硬水に関しては図のように定義されていて、新潟は他の日本の地域と比べると軟水に近いそうです。

 

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硬度が高いと発酵が強くなり、また変わった味になるとか。

水にあった酒造りが、色々な地域で行われているため、多様性が生まれてきています。

 

 

雪の重要性

  1. 空気の浄化作用
  2. 低温
  3. 保温

空気が綺麗なのが重要。案外、温度を下げるのが難しいとのこと、また、発酵は温度変化を嫌うそうです。

 

香味に関与する物質

味覚は以下のように分類されるそうです。

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https://www.nrib.go.jp/kou/pdf/41kou03.pdf

 

醸造微生物(糸状菌酵母

糸状菌(カビ)

日本酒には麹菌が使われます。

麹菌は酵素を生産します。

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酵母

酵母には何種類かあります。

  • 出芽酵母(アルコール発酵/酒類/パン)
  • 耐塩性酵母(醤油/味噌/漬物)

発酵することで、エタノールが生成されます。

 

 

前半の基礎知識終了です。

僕にとっては全然基礎ではなかったですw

 

世界の酒(比較論)

全くお酒に関する知識を持たずにいつもバカみたいに飲んでいたので、作り方の学びは本当に面白かったです!

うんちく語れそうです(笑)

出てくる図なのですが、スライドを参考に自分で作りました。(結構時間かかってしまった。。)間違っていたら教えてください🙏

 

酒の定義

そもそもお酒って何でしょうか?

提議としては

 

酒類の分類

酒税法では、原料や製法によって酒類が定義されます。

清酒の定義

  • アルコール分22%未満
  • 米・米麹・水を原料として発酵させたもの
  • 米・米麹・水・清酒かす・その他政令で定める物品を原料として発酵させたもの

 

世界の分布はこんな感じだそうです。(これも作った。笑)

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清酒の製造方法

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ポイントなのは、「並行複発酵」なところです。

デンプンを糖に変える「糖化」と、等をエタノールに変える「アルコール発酵」が同時に行われます。

下の図が同時に行われるんですね。

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アルコール度数が高くなるという特徴があります。

 

特定名称酒

これに関しては、こちらが分かりやすかったので。

jp.sake-times.com

 

ビールの製造方法

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ビールは清酒と違い、単行複発酵(単行糖化発酵)です。

そのため、アルコール度数はそこまで上がりません。

 

ビールの酵母は2種類あります

ドイツ・アメリカ・チェコ・日本(ピルスナー)など。
凝集性 → 発酵終了後に沈降する
前発酵 → 後発酵(熟成、ラガー

英国(エールスタウト)など

気泡吸着性 → 発酵中に泡に付着して浮く

 

ビール好きなので、知れて良かったです!

 

ワインの製造方法

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ロゼワインが一番衝撃的でした。笑
知らなかった、、

 

蒸留酒の製造方法

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それぞれのお酒の歴史も駆け足で教えていただきました。

 

すごい、パワポで作った感満載の図ですみません(笑)
 

さいごに

今回は、基礎知識と言えど、日本酒に関しては全くの無知で、化学に関しても詳しくなかったので、なかなか面白く聞くことができました。

この基礎知識だけで結構収穫大きかったです。(化学に関しては難しくて完全に理解していませんが、、汗)

 

「日本酒といえば新潟」と世界から認知されるような学問にしたいという想い、いいですよねー。

海外の人に「Niigata」って言ってもだいたい通じませんからね。日本に1年ぐらい住んでた人に聞いても分からないって結構悲しいですよね。

 

来週も楽しくInputして、Outputしていきます! 

 

お読みいただきありがとうございました🙇‍♂️

 

第3回の記事はこちらです。

balius-1064.hatenablog.com

世界初の学問『日本酒学』を受講?します! -新潟大学ー

新潟大学世界初の試みとなる「日本酒学(Sakeology)」が昨年度から開校されました。

日本酒には可能性があって面白いなと最近やっと気づきました。笑

せっかく酒の国 “新潟” にいるのでしっかり勉強しようと思い受講しようとしました。

 

しかしながら、、大学院生はそもそも受講できないとのこと。。

席が空いていれば聞いていいよと言われたので、こっそり受講していきたいと思います!(単位はもちろん出ません。。)

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目次

 

日本酒学とは

2018年の4月に新潟大学で、世界で初めて作られた学問です。

sake.niigata-u.ac.jp

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様々な分野の人が交わることができる学問、こんなに楽しそうな学問他にはないですよね。

多角的な視点が入った学問にしたいという想いもあるそうです。

しっかり学んでいきたいと思います。

 

新潟大学ではターム制(1年で4ターム)を導入しているため、2タームにかけて講義が行われます。講義の具体的概要は以下の通りです。 

日本酒学A-1

  1. 日本酒学の成り立ち(新潟大学「日本酒学」と新潟清酒業界の取り組み)
  2. 高橋均(新潟大学・理事)、大平俊治(新潟県酒造組合・会長)
  3. 日本酒とは① ~米から醸される世界の酒~
  4. 平田大(新潟県酒造組合・副会長)、鈴木一史新潟大学農学部・准教授)
  5. 日本酒のマナー
  6. 渡辺英雄(新潟大学法学部・助手)
  7. 日本酒とは② ~製造方法の基礎~
  8. 金桶光起(新潟県醸造試験場・場長)、城斗志夫(新潟大学農学部・教授)
  9. 日本酒の地域性
  10. 金桶光起(新潟県醸造試験場・場長)
  11. 日本酒の歴史
  12. 後藤奈美(酒類総合研究所・理事長)
  13. 日本酒と料亭・花街の文化
  14. 岡崎篤行(新潟大学工学部・教授)
  15. 期末試験

日本酒学A-2

  1. 日本酒と食~フードペアリング、官能と科学~
  2. 伏木亨(龍谷大学・教授)
  3. 日本酒の経済学・経営学
  4. 伊藤亮司(新潟大学農学部助教)、岸保行(新潟大学経済学部・准教授)
  5. アルコールと脳
  6. 武井延之(新潟大学脳研究所・准教授)
  7. 日本酒のマナー
  8. 渡辺英雄(新潟大学法学部・助手)
  9. 日本の酒類グローバル化~日本酒とビール・ウイスキーとの比較~
  10. 都留康(一橋大学・教授)
  11. 日本酒と健康
  12. 伊豆英恵(酒類総合研究所・主任研究員)
  13. 日本酒を世界へ伝える方法
  14. Andrew WHITAKER(新潟大学農学部・准教授)、田中洋介(今代司酒造(株)社長)
  15. 期末試験

 

コンテンツ内容が本当に面白そう!!

楽しみです!!!

 

参考文献はこちらだそうです。

早速ポチりました。

新潟の酒をまず知らないと!

 

講義

今日は、初回の講義です。

講義は、センター長の挨拶に始まり、新潟県酒造組合の会長さんのお話、そして講義のガイダンスが行われました。

日本酒学開講にあたり

センター長の高橋均さんからお話をいただきました。

そもそも、日本酒学センターとはなんぞやというところは、こちらをご覧ください。

sake.niigata-u.ac.jp

 

このセンター設立の経緯、その想いを述べられていました。

 

その中でも日本酒には様々な角度からの楽しさがあるというところを本当に楽しそうに述べていて、聞いていて僕もわくわくしてきました。

 

新潟の酒の注目度は集客を見れば分かります。

にいがた酒の陣では、2日で14万人もの集客をしています。

sakenojin.jp

 

日本酒学は世界で初めての学問なのですが、世界ではすでにワイン学というものがあったり、日本だと、鹿児島大学が「焼酎・発酵学教育研究センター」というセンターで焼酎に関しての学びが出来たりします。

 

日本酒学に関連する学問としては、

  • 醸造学(Zymurgy)
  • 発酵学(Fermentology)

が挙げられます。

 

新潟大学は国際交流として、フランスのボルドー大学と連携しました。

www.niigata-u.ac.jp

他のお酒からも学びを得ようとしています。

 

私はフランスに行ったことはないのですが、高橋さん曰く、新潟とボルドーはどこを見渡しても田んぼ(ぶどう畑)という点で似ているそう。笑

それなのにボルドーではブドウ農園の見学からワイナリー見学等、日本より地域的にうまく活かせていると思います。

 

 

そればかりか、ボルドーより新潟の方が日本酒の製造に関しては手間暇かけてるそうです。

やっぱりストーリーでモノの価値を高める必要ありますね。

 

「気候は運べない」というキーワードも面白かったです。

 

私は新潟に来て6年目ですけど、新潟のことが本当に好きになっています。

6年でも好きになれる土地ですね!

 

この講義、今年で2年目だったのですが、昨年と同様800人以上の応募があり、2年目にしても注目の様子が伺えます。定員が300人なので、倍率は2.5倍ぐらいですね。

 

新潟における日本酒の現状

新潟県酒造組合の会長である、緑川酒造の大平俊治会長からお言葉をいただきました。

www.niigata-sake.or.jp

 

新潟における日本酒の現状を説明していただきました。

  • 新潟県のシェア(国内出荷量)は第3位(8.1%)
  • 海外輸出は好調
  • 高品質清酒出荷量第1位
  • 酒造メーカー数第1位
  • 日本唯一「日本酒」単独の県立機関(醸造試験場)
  • 日本唯一酒造組合立教育機関(新潟清酒学校)

新潟は、高級なモノ売るようになってきているそうです。それが売上総数の増加に繋がってきています。

日本酒の世界では、“新潟”が環境面でどう考えてもナンバーワンだそうです。

 

「日本酒ってかっこ悪いものなの?」

大平さん自身も、罰ゲームで飲ませられた経験もあるそうで、ビールやワイン、ウイスキーと比べて劣っているもの?なのと問いていました。 

海外の人は日本酒をすごいリスペクトしてくれるそうです。

自国の酒なので愛していかないとダメですね!飲みましょう!!

 

「夢のある仕事だ」

日本酒は、世界的にもすごいお酒で、最も複雑な工程を得て作られているお酒だそうです。

世界から見たら危ない酵母と麹菌を操って美味しいものを作るという、芸術性や作る楽しさがあるそうです。

だからこそ世界からリスペクトされているんですね。

 

また、当たり前のようですが、日本酒は日本だけのものです。

ビールとかワインはどこでも作れるため、他の酒とは絶対に違うオリジナルなものです。

 

他の県とも、新潟県は違うそうです。

  • 米は五百万石を開発
  • 水は軟水で飲水。(普通は硬水だそう)
  • 技術の伝承
  • 醸造試験場の活用
  • 技術屋の集合体の育成
  • 高品質化へ移行

 具体的にこんなところが挙げられるそう。

 

「日本酒学を1年やってどう変化が起きたか」

  • 世界の目が変わる(大学に関してニュースが増える)
  • 他大学との連携が増える(ボルドー大、その他)
  • 先生の交流が増える
  • 地方創生の時代にかなっている
  • 成功させると大学の雰囲気が変わってくる
  • 無限の可能性が皆を待っている

このお話、なかなか楽しかったです。

 

この分野、海外からの反応がすごいあるそうです。海外を見てから日本酒学を学ぶと、さらに面白くなり、可能性も分かると思います。そして、海外の学生とも交流しないといけませんね!

 

新潟大学が世界と渡り合う世界を見たい」

これめっちゃやりたい。成し遂げたい。新潟を世界へ。

 

日本酒は輸出が多くなっています。8年連続で上昇。今から爆発するのは間違いありません。

今まで外にあんまり出ていなかった日本酒が外に出て行った際に、壁にぶち当たります。

ワインだと、ワイン学、歴史や文化、学びが既にあるので、大きな後ろ盾となっています。

日本酒には歴史はあるものの、こういった文化や学びは作れていません。ここをしっかりやるための日本酒学です。また、学びだけじゃなくて文化も作っていかないといけませんね。

 

 

ここさえやっちゃえば、ビジネスチャンスはめっちゃあり、世界でも戦えます。

 

海外行ってみて初めてわかった自分たちの価値。

当たり前のものを外から見ると、実は価値があるということは多いです。灯台下暗しですね。

これは地方創生でも同じ。

 

チャンスは広げていかないと。

一気にいかないといけませんね。

学んだ後のアクションを考えていきたいです。

 

ガイダンス

これからの授業の進め方と、履修に関する説明も。

やはり、抽選で落ちた人の中にはどうしても受けたいとの旨を伝えている学生も多い模様。ここに関しては思う節は後で書きます。

 

自分も、単位はいらないし、ただ日本酒に関してインプットしようと思っていたのですが、、

日本酒学Bという楽しそうな集中講義の履修には、日本酒学A-1、日本酒学A-2の履修が必要だそう。。

日本酒学B
  1. きき酒基礎編 官能検査法ときき酒の理論
  2. きき酒基礎編 におい、アルコール、日本酒度、甘味、酸度の識別
  3. きき酒応用編 マッチングによる香味特性の記憶と識別
  4. 日本酒からの地域活性化 ~農業から酒蔵ツーリズム~
  5. 県内酒蔵での実習
  6. ディスカッション
  7. 日本酒のマナー

講師:金桶光起(新潟県醸造試験場・場長)、佐藤圭吾(新潟県醸造試験場・専門研究員)、栗林喬(新潟県醸造試験場・主任研究員)、近藤伸一(新潟県酒造組合・副会長)、平島 健(新潟県酒造組合・副会長)、他

 

実際に学んだことを、外に出てでさらに考えを深めるような講義です。これ本当に受けたい。。

 

感想

今日は導入だけだったのですが、それでも日本酒の可能性新潟の可能性を改めて感じれて、これから学べることも楽しみです! 

 

しかしながら、、

多角的な視点が入った学問にしたいと言いつつ、学部生のレベルでの多角性でいいのかなと少し疑問に思いました。

世界で渡り合うためには、院生も受講できて、色々と考えれた方がいいのではないかと思いました。

ここから、新しいイノベーションが生まれるかもしれません。

 

そもそも制度で院生って教養科目取れなんですかね、、?同じ大学の学生なのに。。

同じ授業料支払っている身なので変えていただきたいですね。

 

そして、そもそも世界で戦う学問・大学を目指すなら、受講段階で抽選じゃなくて選抜するべき。

800人の応募といえど、楽な単位と思われて集まってるという可能性もあります。本当に興味のある学生をいかに受講させて、世界に羽ばたかせていくかが重要だと思います。

 

僕は新潟大学、そして日本酒学の可能性を感じたからこそ本気で願っています。

もっと世界見て、日本から発信していき、世界と戦いたいですよね。

 

新潟大学の人!!誰よりも学ぶ意思は高いと思っています!!

よろしくお願いします!!

 

次回からも講義楽しみにしています!

 

第2回の記事はこちらです。

balius-1064.hatenablog.com

 

 

モノづくりの街 『燕三条』 を見てきたお話

素敵な出会いがあり、新潟県にあるモノづくりの街「燕三条を視察させていただきました。

色々と感じたことがあったので、メモとして残しておきます。

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目次

 

燕三条

有名な場所であるとは思っていますが、新潟をよく知らない人も多いと思うので、燕三条の基礎知識を書いておきます。

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場所はこちら。ちょいっと見にくくすみません。。これは燕市ですね。

 

新潟市からも近く、海にも近く、山にも近い。いい環境です。

僕、やっぱり田舎が好きです。

上越新幹線ですと、燕三条駅があります。ぜひお越しください!!(誰。笑)

 

今回は燕市を色々と視察してきました。

燕市の人口は約8万人。おとなり三条市の人口は約10万人

それでも、3300もの工場があるそうです。

 

産業の歴史等はこちらで。

www.tsjiba.or.jp

 

モノづくりに対して本当に熱い街で、工場の祭典を行なっていたりします。昨年度行きたかったのですが、行けず、、今年こそは行きます!

kouba-fes.jp

 

素敵な出会い

僕の後輩で、色々なことをめちゃめちゃ頑張っている可愛い後輩ちゃんが、燕市にある明治屋の5代目大橋さん(かずさん)と知り合いで、僕を紹介していただき、ご飯を食べたのがきっかけでした。

omotenashi-meijiya.com

 

僕の活動にも興味を持っていただき、かずさんが僕に合ったコースを考えていただき、全部で7ヶ所を案内してくれました。

 

かずさんは本当に凄い方で、人脈の広さ、信頼が半端なく、そして街づくりに関しても熱く、何かしらイノベーションを起こしたいと考えていらっしゃいます。そしてなによりカッコいいです。笑

 

今回は、かずさんの案内のもと、僕の相方可愛い後輩ちゃん、そしてぬまっちの5人で色々なところを周りました。

(ぬまっちって誰?と思うかもしれませんが、最後にちゃんと書きます!本当に熱く、凄い方です。)

 

玉川堂

最初に行ったのは鎚起銅器のこちら。

www.gyokusendo.com

正直鎚起銅器をあまり知らなかったのですが、とても面白く見ることができました。

 

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外見はこんな感じ。無形文化財に認定されています。

 

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中はこんな感じ。叩いている音が響き渡っています。

 

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こんな感じで、1枚の銅板から叩きだけで作っていきます。急須が継ぎ接ぎなしで作れるのすごすぎる。

この技術を習得するまで15年ほどかかるそうです。

 

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これいつか絶対に買います。実際に鎚起銅器で作ったおちょこで日本酒飲みましたが、うまかったですぅ🍶。(日本酒がそもそもいいもの飲んだ説もありますがw)

 

様々な工程がありますが1人の職人で全行程できる様に修行しています。彫金師は専業だそうです。


昔は作れば売れる時代だったのですが、それが時代の変化とともにそうではなくなってきています。

様々な工夫はしていて、美術的要素を入れていたり、工場と銅から作るというところは変えずに、作るものを変えていたり、変化に柔軟に対応はしているように見えました。

 

急須や湯のみとかは量産されているモノでもあるので、ただ日常的に使うための目的であれば、ここのモノを買う必要はありません。

しかしながら需要はまだまだあります。ただ、さらなるブランディング、売り方を変えるだけでその価値はまた変わってくる気がします。

 

ブランディングだけでなく、ストーリーの共有で物を売る必要があります。そのための手段として、作っている工程、想いを伝えるための工場見学をしています。

6年前には600人程度だった見学者は、外国の方も増え、去年は4000人程のお客様が来たそうです。

ここにまた新しい可能性と、勝機、転機があると思いました。

 

この急須にで煎れるとうまいお茶も販売されていて、面白いなって思いました。


私もクリエイターなので、職人魂も分かる気がします。 

どう売るか、どう魅せるかでモノを売っていきたいですね。

 

藤次郎

tojiro.net

 

こちらは包丁を作っている藤次郎です。

 

初めて800度程の炎を見ました(笑)

テレビで見ていたものだ!

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こんな感じで、鉄の材料を1から叩いて作っていきます。

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工程はこんな感じ。

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この包丁、持ち手も畳んでいくことで作られています。

半端なくかっこいいです。

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これも買います。絶対。

 

杭州飯店

お昼ご飯は燕三条名物「背脂中華そば」。

tabelog.com

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ここのはマジでうまいです。老舗で、燕市の中でも有名。

地元の方からも愛されていて、お昼時は毎日のように並ぶそうです。

 

山崎研磨工業

www.yamazaki-kenma.jp

 

磨き技術の老舗です。

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こんなにピカピカになります。f:id:balius-1064:20190405214647j:plain

 

モノありきの仕事なのは確かです。営業はそこまで出来ないと言いつつも、iPodを磨いていた実績もあります。技術は確かなものです。

確かに、1日でできる量は決まっていたりしますが、同じ地域で回して、新しい地元産の何かができるのではないのかと、期待できました。

周りと繋がっていかないと。

 

ミノル製作所

minoruseisakusyo.jp

 

今までの見学とは明らかに違うなと思ったところが、若い人が多いということ。

そして、代表の本多さんが本当にお熱い方でした。(この地域熱い方が多い。)

この地域がこのままでは衰退してしまうという危機感を持ちながら、若手への投資をしています。

 

小ロットと中ロットを持っていて、注文数や質によって作り方を変えています。

 

これは、へら絞り機です。手で押し当てていくことで形を変えていきます。

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こちらはスピニングマシン。

上と同じ要領なものを、機械が自動で行います。

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燕三条のモノづくりが成長してきた過程には、希望通りの試作を作るところが始まりだったそうです。

相手が本当に欲しいものを作る。これは分野変わらず、どのクリエイターにとっても同じ大切なことですよね。

特に、ちょっとの変化に弱いのが金属だからこそ、最初の試作がとても重要になってきます。

大量生産の世の中になった金属分野で、マネされるようなマネされないものを作っていくのが大切とのことでした。

 

また、この地域には真の技術と、いいアイデアの製品はいっぱいあるものの、売り方を知らずに埋もれてしまっているものは多いそうです。

昔は作れば売れる時代だったからですね。売り方を学べずに時代の変化がきてしまったんだなと感じました。

結局、どこに売ったかも分からず、売れるかどうかの判断は大きい商社に委ねるしかないそうです。

D to Cをしっかりやり、自分の子供のように大切な製品をちゃんと届けるところまでやらなくてはいけないなと思いました。

 

ここで聞いて驚いたことが、周りにたくさんの工場があるのは分かるが、そこで何が作られているのかが分からないということ。

なぜ連携しようとしないのかが不思議でした。衰退しつつある中、いかに協力するかが鍵になってくると思いました。

 

また、せっかく技術をもった老人の方々が、後世に伝えることをせずに、技術を持った人がどんどん少なくなってしまうということ。

確かに、1日5000円ほど稼げれば生活に苦労はしないとのこと。

ただ、生きるとかそういう以前に、コミュニティの盛り上げや、若い力の育成等、できることがいっぱいあるのになんでやらないのかが引っかかりました。

事実、アメリカの老人の方は本当にコミュニケーションも好きで、教えるのも好きで、コミュニティの活性化をしようとしていて、その活動自体を活き活きやっている様に見えました。

 

人気料理店と同じで、ブランディング(製品へのストーリー付け等を含め)をしっかりやると共に製品の質を高めていき、人気料理店と同じで何年待ちでも客の予約が入るようなモノを作るのが大切なんじゃないかと思いました。

 

MGNET

mgnet-office.com

 

未来の可能性が見えた会社さんでした。

この会社自体は、僕の言葉で説明すると、燕三条のものづくりにおける、コミュニティマネージャー的存在だなと思いました。

ものづくりを前進させる、環境づくりをしている会社です。

 

Make Good Network

社名の由来の時点でもうかっこいい。笑

 

この会社が有名になったのは、親会社である武田金型製作所が作り有名になった「マジックメタル」です。

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(工場という文字が読めますか?w)

詳しくはこちらをご覧ください。

youtu.be

 

武田修美さんの考えにものすごく共感できるものもありました。

もっとお話ししたかったです。

note.mu

 

酸化発色テクノロジーを使った「As it is」。これすごかったです。写真撮るの難しいんですけどね(笑)

塗料なしで、光の屈折で虹色のような色になります。

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ネットワークの力でモノづくりを加速させていきたいですね。

 

夜、出会い

今日1日一緒に行動をし、様々なことを教えてくれたぬまっちのゲストハウス、トライアングルへ行きました。

(やっとぬまっち出てきました!笑)

camp-fire.jp

CAMPFIREでクラウドファンディングをし、ここ燕三条に移住してきた方です。

すごい熱い想いと行動力があります。人を惹きつける力、憧れます。

詳しくはこちらを読んでください!そして、ぜひ会いにこのゲストハウスを訪れてください。深いお話を聞くことができます。

 

ゲストハウスに着き、17時ぐらいから飲み始めました。

世界一周のお話を聞かせていただいたり、熱い想いを聞かせていただいたり、、酒はやはりいいですね〜

 

かずさんが、超レアなお酒をいっぱい持ってきてくれました🙏

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途中で夕飯を食べにこちらへ。

すごいレトロで雰囲気最高で、ナポリタンめっちゃうまかったです。

tabelog.com

ここでも飲みました(笑)

 

その後も結局朝5時まで飲み続けました(笑)12時間も!!

 

酒場はイノベーション創造の場ですね、やっぱり。

地元の色々な方々も遊びに来てくれて、いっぱい色々な方とお話しすることができました。本当に楽しい、おいしいお酒でした。

 

さいごに

いい経験ができ、自分のやりたかった「観光」×「地方創生」のリアルが見えた気がします。

しかしながら、僕の得意分野のインターネット、テクノロジーを活かしながら地方創生をやりたいのですが、なんせ地方創生はやはり時間がかかるものです。そのギャップをリアルに感じることができました。

そして、インターネットに付いてくるのが難しい世代もあります。(これは日本独特な気がする。。)

なぜ付いてこれないのかって所の原因は少し分かっているので、それでも使いたくなるようなモノを作っていかなきゃいけないですね。

 

ただ、収穫はとても多かったです。

感謝経済とまではいきませんが、そこにはシェアの文化、お互い様の文化がありました。ここにすごい可能性を感じました。

 

自分の想いを言語化して伝える難しさ

  

リアルのネットワークの重要性も分かり、オンラインのネットワークの重要性もわかるという認識はあったので。この隙間をテクノロジーで埋めたいです。

 

地元に住んでいると気づけないような、自分達だと価値だと気づけてないものに価値を付けれると思います。そこで重要になってくるのはやはりストーリーですね。

ストーリー付がうまいのは、僕の中ではタモさんなのかなと思います。NHKの「ブラタモリ」見るだけで、そこに行って体験したくなりますもんね。

シャンパンの価値が高いのも同じ気がします。日本人はストーリー付が下手ですね(笑)

 

ものづくり、エンジニアリングはやっぱり楽しいです!

 

国内だけじゃなくて海外に売っていく力のところとかを勉強していきたいです。

 

新潟の、奥ゆかしい県民性を変えていく必要がありますね。それに微力ながら協力していきたいと思いました。

 

今回の視察で、燕の過去と現在、未来を見ることができました。

 

今回お世話になった方々にもぜひ読んで欲しい本です。絶対に参考になると思います。

 

田舎いいですねっ。やっぱり。

 

第2の地元新潟で、また好きな場所見つけれて嬉しいです😊燕大好きになりました😄

 

地方創生やっていくぞ!

 

今回は、かずさんぬまっちをはじめ、たくさんの方にお世話になりました。ありがとうございました。また行きます!!🏃‍♂️